時がたち、男の子が本棚のてっぺんのほこりにさえ手が届くようになったころ。

「ねぇそろそろこの家掃除したほうがいいんじゃない?」

「そうかな?いつもこんなだよ?」

「いや、そろそろ俺も気になるかなー」

「じゃあ掃除やってみる?」

「この家って掃除用具あんの?」

「えっと、たしかこっちに・・・」
そういって女の子が開けようとしている扉は今まで男の子が見たことないものでした。

「えっそんな扉前からあったっけ?」

「うー?わかんないー」
女の子は固そうな扉を開けようと質問にきちんと答えてくれないので

「もう。代わりにやるよ。」
男の子が思いっきり引っ張るとようやくあけることができました。

2人が中をのぞくと床の上にずっと前、女の子と出会った日に扉に描かれた同じ魔法陣が描かれていた。

「なっ!なんだよこれ」

「わかんない」

外にある魔法陣と同じ。ということは
「もしかしてこれの上に乗ってみたら外に出られるんじゃないか?」

「ほんとっ!?私も外の世界見てみたい!」
そういうやいなや走り出し魔法陣に乗ってしまいました。

するとまばゆい光があふれ出しました。

「おい!大丈夫か!?」

光が止んだ後真ん中をみると女の子が倒れていました。

それから女の子を運び、看病をしていると

女の子が目を覚ましました。

「あれ?私なにかかわった?」

「いや見たところ何もかわってないな・・・」
女の子の容姿は何年たっても初めて会った時と少しも変わりません。

「じゃあお外いってみようよ!」
男の子はまた痛く、つらい思いをさせるのではと不安になりましたが
女の子がきらきらと目を輝かせているのでしぶしぶ了承しました。

「じゃあ、あけるよ?」

「うん!」

恐る恐る扉を開け、女の子の手を握りしめ、初めて外に連れ出そうとした時のように潜り抜けました。