すると最初に目に入ったのは床の上に無造作に積み重なっておいてある本。
本棚にびっしり収まっている本とそれに積もっているほこり。
左側にはカウンターらしきものがあって、
右側には上のほうに大きなステンドグラス、
壁には一面の景色の見える窓、
手前には机、椅子、座っている女の子、
・・・・?女の子!
やっやばい!人がいたっ!

ふほうしんにゅうになっちゃうかな・・・
でもでも!無視するほうも悪いんだよ!
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と、とりあえず話し掛けてみよう。
「あの。こんにちは!」
机をノックしながら声をかけてみたけど返事がない。
「おーい」
「・・・」
「すみませーん!」
「・・・」
だめだー全然反応ない。

しょうがない!やりたくなかったけど最終手段だっ!
「ていっ」
「・・・?」
どうだ。本を取ったら無視はできないだろー

女の子は戸惑ったように左右を見渡しはっと僕を見上げた。
女の子の目はくりくりしていてとても澄んでいた。
太陽の光よりも輝いている白い髪。
どこを見てもなんでここにいるのか不思議な存在だった。

「あなただーれ?」
うわぁ!びっくりした・・・
えっと「僕はコシュマール マールって呼んで」
「マール?」
「うん。君はなんていうの?」
「私は・・・私の名前・・わからないの」
「えっ?あれだっ!きおくそうしつってやつだよ!」
「そうなの?」
「そうだよ!そういえばどうしてここにいるの?」
「わからないの」
えっ!
「じゃあこんなところにいないで探検しようよ!」
そう言って女の子の手を握ってドアをくぐろうとした時
ビリビリッ
と変な音が聞こえ、同時に握っていた手の感覚が消えた。