昔の話-------------------

「もう！ここどこなんだよー！」
あるところに探検が大好きな男の子がいました。
その男の子は今日、勇気を出して家から遠い森の中を冒険していました。
ですが歩いてきた道がわからなくなって迷子になってしまいました。

「しょうがない。普通の道を探そうかなー」
男の子はしょんぼりとしながら帰り道を探しました。



そしてしばらく歩いて、太陽が男の子をまるでスポットライトのように照らすようになった時、木の隙間に建物が見えてきました。
心細かった男の子は近づいてみることにしました。

それは一階だてには見えない程立派なお城のような建物でした。
でもドアは古くさく、何年もあけられていないようでした。
男の子は窓から中をのぞき、
「ほんとに人がいるのかな・・・？でもトントンしたほうがいいよね。」
そういってドアを３回ノックしてみました。
「やっぱり誰もいないみたい」
誰もいないんだからかってにあけちゃお

「ふんっ」
あれ？あかない？
どんだけ使ってないんだよー

「とやー」
精一杯力を込めて押すと
ギィィッ
と音を立てて開き始めました。

「どうだ！僕にかかればこんな扉くらいすぐにあけられるんだぞー」
男の子は一人でドアにあっかんべーをして扉を開けていくと
自然の空気が詰まった風が中から男の子を押し帰すように襲い掛かってきました。

でもそんなんじゃひるまないもんねと扉にしがみついて収まるのを待っていると思ったよりもすぐに風は止みました。
「なんだよーやっぱり人がいたんじゃん」
そう言って扉を全部開きました。