あるところに女の子がいました。
その女の子はガラスのお城に住んでいました。
自分以外の誰もいない夢に満ちた世界でした。








ところがある日そのお城は母親と兄によって壊されてしまいました。
女の子を守っていた世界が崩れ去り、危うくとも歩きだした女の子はセカイがとても汚く、汚れていることに気が付きました。
耐えられなくなった女の子は自分のお城があった場所へと戻りました。

しかしそこには破片が舞っているだけ、女の子はとても悲しくなりました。
もうここには戻れないと悟った少女は新しいお城を創ることにしました。







とうとう完成した新たなお城はガラスのお城とは程遠いものでした。

彼女は純粋ゆえに外の黒い暗い世界にとても影響を受けてしまったのです。
彼女の目の前に建つ新しいお城はより外気に触れぬよう沢山の柵に囲まれ、
高い壁に覆われ、色も毒々しいものになってしまいました。

こうして彼女はより強固なお城で新しい自分だけの世界を築きました。




おしまい