俺は退屈していた。

よく良く考えれば何に退屈しているのかはさっぱりわからないのだが。

毎日同じことを繰り返していること?

ただただ何の話題性も無く続いていく会話?

本当に何に退屈しているのかわからない。両親との中も良好。友人関係をこじらせているわけでもない。あえて言うなら、恋人がいないのが残念な事ぐらいだ。ある意味平和でとても平和で素晴らしい毎日。紛争などが起こっている国の人からすれば怒られてしまうほどの贅沢だろう。だけど、退屈なのは退屈なのだ。

「本当に、なんで俺は存在しているのだろう。」

ポツリとつぶやく。誰もいない。俺は今公園にいる。しかし、子供ひとりとしていない。この公園で俺のつぶやきを聞いているやつなんて、誰もいないのだ。聞いてないのはあたりまえ。だけど、俺は日々続いていく退屈やそれによって考えさせられる自分の存在の意味に口を開かずにはいられなかった。

ふと、時計を見るともう7時になる。この公園に来たのは3時ぐらい。……もう4時間もたつのか。俺の家に門限などはないが、帰らないと警察に補導されてしまうだろう。

「さてと、帰るか……」

そう言って、公園から出た。