2月の終わり頃の週末。

大雨が降ってピザの注文も大量に入っていて、バイト先のみんなは忙しなく動いていた。もちろん僕もだ。

バイトに入ったばかりの都も、忙しさゆえに早上がりできずにずっと皿洗いを続けていた。


22時過ぎになり、配達のピークを過ぎた頃、店長が都に「あがっていいよ」と声をかけた。


すると都は少し恥ずかしそうに
「あの…ピザ…」
と店長に声をかけた。

どうやら買って帰るみたいだ。


『雨大丈夫?ピザ配達しようか?』


僕は家が少し遠いという都を気にかけた。

すると都は驚いたように
「えっ!あ、今日は近くのおばあちゃん家に泊まるので大丈夫です!すいません、ありがとうございます!」
と答えた。


僕はなんだか恥ずかしくなってしまった。