妻に、母に、そして家族になる

「ほ～。そんなに離れたくないほどカッコいい人なの？ 仕事は何してる人？ 」

「……普通のサラリーマン。顔はかなりカッコいい」

「そんなにカッコいいのかぁ。じゃあ、そんなカッコいい人の息子ちゃんもそうなの？ 」

「ん～、まだ子供だからカッコいいより可愛い感じかな。でもね、顔は瓜二つだし髪の毛が猫っ毛なのもそっくりなの。それにね、お手伝いも進んでしてくれるし、優しいし、もう可愛くて可愛くてしかたがないの。笑った顔なんて本物の天使みたい。そんな笑顔でフミちゃんなんて呼ばれたらもう嬉しくて」

「水を得た魚か！ 」

佳奈のツッコミに無意識に熱弁していたことに気付く。

他人の子供を熱弁するなんて何してるんだ私……。

「ごめん……」

「あ～、でもその息子ちゃんへの愛は十分すぎる程伝わったよ。まあ、文香はもともと子供が好きだからね。いや～何だか息子の自慢話を聞いてるみたいだった」

「ごめん……」

「謝んないでよ。それだけ他人の子供に愛情を注げるなんて、むしろ凄いことだよ。そのカッコいい彼も嬉しいだろうね」