妻に、母に、そして家族になる

子供を不安にさせてしまったら、ちゃんとフォローをして慰めてあげることが大切だ。

安心させるように軽く背中を叩いてあげると、触れ合った場所からハルくんの緊張が解けていくのを感じた。

離れようとすると今度はハルくんから腕を回して抱き着いてくる。

「フミちゃん大好き」

「私もハルくんが大好きだよ」

抱きしめられる以上の力で抱きしめ返す。

大好きと言われたら大好きと返す。

たったこれだけなのに満たされるような幸せを感じた。

ハルくんを元気にさせようと思っていたのに、私の方が元気を貰ってしまった気がする。

「お父さんも大好き」

「お父さんもだよ」

信濃さんの大きな手で頭を撫でられるハルくんの顔には笑顔が戻っていた。

その笑顔と共にさっきまでざわついていた部屋の空気が落ち着いて行く。