妻に、母に、そして家族になる

安心したのかハルくんが体に寄り掛かってくる。

そしたらグ~……とお腹の音が聞こえてきた。

夕日に照らされて赤かったハルくんの顔が更に赤くなる。

「お腹空いたの?」

「うん、えへへ……」

「そう言えば、そろそろ夕食の準備をしないとな」

「あ、あの」

ソファから立ち上がろうとする信濃さんに急いで声を掛ける。

「何を作るんですか?」

「カレーだけど、どうしたの?」

「私が作りましょうか」

そう言ったら、ハルくんが目を輝かせて私を見た。

「フミちゃんが作ったカレー食べたい!ね、お父さんも食べたいでしょ?」

「ま、まぁ、それはそうだけど……」

「じゃあ決まり。急いで作りますね」

エプロンを借りてキッチンに立つ。

せっせとカレーを作っているとハルくんがキッチンにやってくる。