妻に、母に、そして家族になる

そんな私の様子に彼は苦笑を漏らした。

「今日からここが橘さんの家なんだから、もっと寛いでいいんだよ」

「は、はい、わかりました!頑張って寛ぎます!」

気合いを入れながらそう言ったら、彼は腹を抱えて笑い始めた。

な、何が可笑しかったんだろう。

恥ずかしくてじわじわ頬が熱くなるのを感じる。

「橘さん。寛ぐのは頑張ってやるものじゃないよ」

「え……。あっ!それもそうですね……」

本格的にカーッと顔全体が熱くなる。

鏡を見なくても今自分の顔が真っ赤なのがわかる。

「フミちゃん、顔が赤いよ。大丈夫?」

心配したハルくんがさっきまで見ていたテレビをほったらかして、私のところに来てくれる。

体温計を持って来ようとするハルくんを捕まえて、膝の上に乗せるとギュと抱きしめた。

「大丈夫大丈夫。元気だよ」

「本当に?」

「本当本当」