妻に、母に、そして家族になる

でもここはぐっと堪えて……。

「やっぱりハルくんの意見無しに決められません」

そうは言っても、やっぱり魅力的な話しであることには変わらない。

そんな私の気持ちが伝わっているのか、信濃さんはフッと笑った。

「ハルが同居を許してくれたら、橘さんもOKってことでいいのかな?」

「まっ、まあ、家が無くなった身としては、とても魅力的な話ではありますので……」

「ふっ、くく……」

なぜか信濃さんが笑い始めてしまう。

「どうして笑うんですか」

ムッとしながら言うと、彼は「ごめん」と謝る。

「自分が大変な状態なのに、息子のことを考えてくれるのが嬉しくて。本当、ハルは幸せ者だな。羨ましいよ」

「いつかきっと、ハルくんごと全部信濃さんを幸せにしてくれる人が現れますよ」

……なんでだろう。

自分で言ったのに胸がもやもやする。