妻に、母に、そして家族になる

「橘さん。しばらく周りに用心した方がいい。今回は帰ったけど、サキは執念深い所があるから、またここに来るかもしれない」

「だったらハルくんにも、注意するように言った方が良いですね」

「……」

信濃さんは口を閉ざしてしまう。

身近に危険が迫っているとはいえ、ハルくんにサキさんの事を話すのは、あまり気が進まないようだ。

でも、私は話しておくべきだと思う。

いつどこでサキさんが接触してくるか分からないのだ。

何も知らないまま危険に晒されるより、ある程度知って貰っていた方が、ハルくん自身も用心してくれるだろうから。

「信濃さんと私が絶対守ると言えば、ハルくんなら大丈夫だと思いますよ」

「……そうだね。明日、ハルに話すよ。その時橘さんも側にいてくれる?」

「もちろんです」

力強く頷けば、信濃さんは微笑んで頷き返してくれた。