妻に、母に、そして家族になる

「橘さん、後で話を聞いてくれる?」

私の様子を察してか、信濃さんから申し出てくれる。

「良いんですか?私が聞いても……」

「うん。お願い」

「分りました。では、ハルくんが寝た後でお聞きします」

それから時間が過ぎ、ハルくんの部屋をそっと覗く。

暗い部屋でベットに横になるハルくんは、すでに眠っているようだった。

静かに扉を閉め、信濃さんが待つリビングに向かう。

彼はソファに座っていて、心ここにあらずと言った様子で、ぼんやり一点を見つめていた。

私はそっと隣に腰を下ろし、疲れた横顔を見つめる。