妻に、母に、そして家族になる

そう微笑んで言えば、信濃さんの表情が少しだけ柔らかくなる。

そして起き上がると腕が伸びてきて、私は瞬く間にその腕に閉じ込められた。

「信濃さん……?」

名前を呼んでも信濃さんは何も言わず、抱きしめる腕に力が込められる。

こうやって抱きしめられるのは二回目で、やっぱり緊張するけど、初めてに比べれば、幾分落ち着いて受け入れることができた。

少し苦しくて、私の全てを受け止めるような抱擁に身を委ねる。

目を閉じれば彼の匂いと温もりをより強く感じることが出来た。

……どうしてだろう。

今日あんなに沢山寝たのに、もう眠くなってきた。

このまま寝てしまいたい衝動に駆られていると、信濃さんが体を離して顔を覗き見てくる。

「どうしたの?」

「ちょっと眠くなってしまって……。何だか信濃さんにギュッとしてもらうと、落ち着くみたいで」

「そ、そう……」

眠たい目を軽く擦っていると、信濃さんはソファから立ち上がり、そして

「よいしょ」

と、掛け声と共に軽々と私の体を横向きに抱き上げてしまう。