妻に、母に、そして家族になる

そして夜。

晩御飯を食べ、お風呂に入り、ハルくんが「おやすみなさい」と言って自分の部屋へと戻ると、恒例となった二人の時間が始まる。

「あの、橘さん。昼間の約束……」

いつものように白湯を作って、信濃さんの隣でフーフーと冷ましながら飲んでいると、彼が確認するように聞いてくる。

まだハルくんが部屋に戻って間もないのに聞いて来るなんて、膝枕をそんなに楽しみにしていたのかと思うと、胸の辺りを擽られるようなくすぐったさを感じた。

「もちろん覚えてますよ。どうぞ」

飲みかけの白湯を机に置き、膝に招くような動作をすると、彼は「お邪魔します」と呟いて、頭を横にして膝に乗せる。

気持ちよさそうに瞼を閉じる横顔は、やっぱりハルくんにそっくりで。

なんだか大きなハルくんみたいだな……と思って、彼の髪を撫でたら、閉じていた瞼が開いた。

「今、俺を大きなハルみたいって思ってなかった?」

信濃さん、アナタはエスパーですか?

「ちょっとだけ思ってました……」

「やっぱり」

「だってあまりにも信濃さんとハルくんがそっくりだからつい」