妻に、母に、そして家族になる

「早く食べよう。お父さんが作るラーメン美味しいんだよ」

「……うん」

信濃さんが作ってくれたラーメンはホカホカの湯気が上り、たっぷりの野菜が乗っていて、とても美味しそうだ。

「あ、あの……信濃さん、昨日は……」

「とりあえず今は食べよう。麺が伸びるしね」

話しはその後と言う様にラーメンを食べ始めてしまう。

……怒ってるのかな。

それもそうだよね。記憶はないけど、おそらく多大な迷惑を掛けてしまったんだ。

しかも、ただの居候が昼まで寝過ごしてしまった。

仕事での疲れならまだしも、飲みに行ったせいで寝過ごしてしまったなんて、幻滅されてもおかしくない。

早く謝らないといけないけど、今は大人しくラーメンを食べよう。

「いただきます」

周りに聞こえるか聞こえないかの小さな声で言い、麺を啜る。

麺は硬すぎず柔らかすぎずの丁度良い。野菜もシャキシャキと歯ごたえがある。

ただのインスタントラーメンの筈なのに、自分で作るよりも美味しかった。