いろいろ必要だよね?


お泊りとかなかったのが幸いだけど、したかったな……お泊まり会。





家に着いてからもその事を考えてボーッとしていた私に、お母さんが心配そうに何度も声をかえてくるのを、苦笑いをしながら返していった。







『うわー……すごい人混み』



『そうね。みんな気になってるのよ』



『お、俺、補修組に名前ないよな⁉︎』



『……さあな』




目の前の人だかりを前に、私たち4人は隅っこに固まってそう話しあっていた。



人だかりの理由は簡単。

テストの結果が張り出されているからで。



80位まで順位が張り出されていて、1番最後に補修組の名前も載っているらしい。



その順位を確認しに、皆が集まって物凄い人だからにができているというわけだ。




『少し、引いてから見ましょう』



『そうだね……押し返されそう』




翠の言葉に頷きながら返し、しばらくの間、上を見上げている人混みを眺める。


……どのくらいの順位かな?


一応、空欄はないから大丈夫だとは思うけど。




何があるかわからないし、凡ミスとかしてそうだし……。




考えながら、どんどん自分のテンションが下がっていくのを感じて頭を左右に振る。




大丈夫だよね?


とりあえず、夏休みさえ確保しとけばいいはずだもん。



『……そろそろいいだろ』




私の隣に立っていた煌君が、腕を組みながらそう言って、紙の方の人混みを顎で指す。



『そうだね』



その言葉に返事をして、翠の手を引いて煌君達よりも少し早歩きで人混みに混ざりこむ。




『んー……翠、名前見つかったー?』



下から順に順位を確認していていた私が、隣で上を見上げていた翠に声をかける。



『まぁ、見つかったわ』