あと1日で、栞莉が死ぬ⁇
何で。
何で。
何で!
何で……気づかなかった?
『栞莉チャンの所、行くだろ? 煌』
救急隊のあとに続いて出て行こうとした快斗が、立ち止まり、未だ現実を受け止めきれていない俺に、そう言う。
行けば、現実だと思い知らされる。
けど、栞莉が目覚めた時。その場に居たい。
『……ああ』
『じゃあ、行くぞ』
そう言って走る快斗の後を追い、俺も教室を出る。
『桐山先生‼︎ 俺ら救急車乗っていい⁉︎』
救急車に同伴しようとしていた担任を、快斗が呼び止める。
『……お前らが?』
『そう! てか、乗るから!』
翠の手を引いて、担任を押しのけて救急車に乗り込んだ快斗の後を追い、俺も救急車に乗り込む。
『……校長には、俺が説明しておく』
そう言った担任に、いつも通りの緩さはなく、真剣な表情で俺達を見る。
『……頼みました。先生』
俺の言葉と同時に扉が閉められ、救急車が走り始める。
『……栞莉……っ』
栞莉を見ながら涙を堪える翠の手を、快斗が握りしめる。
『栞莉、死ぬなよ』
ギュッと、強く。
離さないように、栞莉の手を握りしめながら、永遠とその言葉を投げ続ける。
『お前が死ぬなんて、考えたく無いんだよ‼︎』
考えたく無い。
生きていてほしい。
来年も、再来年も、ずっと隣で、一緒に、笑いあいたい。
言ってない事もたくさんある。
謝るたいことも。
病院に着いたと同時に、救急車の扉が開かれ、医者や看護師達が、慌てて栞莉の乗るタンカーを病院内に運んでいく。
『……栞莉‼︎』
運ばれていく栞莉の名前を叫んだ俺の声に栞莉が答えてくれることはなく、ただただ、静かな廊下に響きわたっていった。



