あの春、君と出逢ったこと



聞きたくない。

聞けば、俺の中の何かが崩れていく気がする。



そんな俺の心の奥の声が混ざり合いながら、自分がわからなくなりながら、翠を問い詰める。




『だから!

明日、死ぬのよ! 栞莉は‼︎
1年前から、決まってたのよ!

栞莉が私達と出会った時にはもう……っ、余命、宣告を……受けて、た、のよ……』







『栞莉が、明日、死ぬ……?


……嘘だろ? なぁ、翠、嘘だよな⁇


冗談って言えよ‼︎』


快斗に支えられている翠に掴みかかり、声をはりあげる。


『やめろ、煌‼︎

冗談でそんな事言うわけないだろ⁉︎
俺らだって、冗談って言いてえんだよ!

だけど、これが現実なんだ‼︎』


そんな俺の手を掴み、翠から離しながら快斗がそう叫んだ同時に、救急隊と、担任が教室の中へ入ってくる。



『夏川……‼︎』


栞莉の名前を叫ぶ担任と、バタバタと音を立てながら栞莉を運んでいく救急隊を、呆然と見つめる。


……何、言ってんだよ。