あの春、君と出逢ったこと




馬鹿、みたいだっ、私……ッ。

恋なんてしても、告白できないって。
伝える事はできないって、分かったはずなのに……っ‼︎


どうせ、届く事のない、伝える事のできない想いなら。




この涙と共に、消えてしまえば良いのに……。




黒板にもたれたまま、涙を流し続ける。


想いごと、流してくれる事を期待して。


どうせ、忘れることも、消すことさえもできないくせに。






prrrr prrrr……


マナーモードにしていなかったため、静かな教室に響き渡った携帯音。

その音に驚きながらも、慌てて涙を拭き取る。




『も、しもし?』


『栞莉⁇ 今どこにいるのよ?』


電話の相手は、翠だった。





『今……⁇

今は教室、にいるよ』