考えてみれば、この1年で、結構みんなと仲良くなったよね?
初めの頃は、翠と煌君と快斗君としか話してなかったけど。
『栞莉……⁉︎』
ゆっくり歩きながらそう考えていた私は、後ろから、聞き覚えのある声で名前を呼ばれて、慌てて後ろを振り返る。
『翠!』
『大丈夫なの⁉︎ 栞莉‼︎』
心配そうに駆け寄ってきた翠に笑顔を見せる。
『大丈夫、大丈夫!』
未だに納得しない翠を見て、それよりも……と言葉を続ける。
『翠がいるって事は、遅刻じゃないの?』
なんて聞きながら首をかしげる私を、翠が不思議そうに見ながら答える。
『遅刻? 今、7時15分よ?』
呆れたような顔をしながら、私に携帯の画面を突きつける翠。
そんな翠に突きつけられた携帯の画面を見ると、本当に7時15分と表示されていて、首を傾げる。
『じゃあ、遅刻じゃない……⁇』
そこまで言って、考えるのをやめる。
お母さんの、お節介ってことだよね?
お母さんなりの、メッセージなのかもしれないよね?
最後なんだから、少しでも長く友達といなさいって言う、メッセージ……。