1人で先月の事を思い浮かべて、窓の外を眺める。



眺めながら、出てくるため息を抑える事ができずに、溜息をついてしまった。


『意味深なため息ね⁇』




その私の溜息を、翠が聞き逃すわけがなく。


少しだけ、口角を上げながらそう聞いてきた。






翠にくらい、言っても大丈夫だよね⁇




本人である煌君は、今先生に呼ばれて隣にはいないし。




『……実は、ね?』




あの日から今日まで、何とかやり過ごしてきたけど。




……私は、告白を受けることも出来ない。




でも、自分から煌君を振るなんて事も、出来るわけがない。





ずっと葛藤を繰り返して。
返事をしたくても、できないのが現状であ
って。





『返事、しないつもりなの?』





そう聞いてきた翠に、曖昧な笑みを浮かべて何も答えずに窓の外に視線を移した。




『よ‼︎ 翠チャン、栞莉チャン!』





私の今の気持ちとは正反対すぎるほど、明るい声で近づいてきた快斗君に、少し笑みを浮かべて手を振る。




『最近さー、栞莉チャン元気ないけど?

煌と、何かあったのか?』



そんな私に、目ざとくそう言ってきた快斗君に、翠同様曖昧な笑みを浮かべる。




快斗君は、見てない様で周りを見てるんだから、どうせ言わなくても気づいてるはずだけど。




『……まぁね』




再度ついた溜息とともに、快斗君の言葉に肯定示す。




快斗君にも、翠と同じように、初詣の時の話をする。




『あの煌が⁇

で、琹莉チャンはどうすんの?』