「分かってる!
ちゃんと前見ないと危ないよ?」

ズルッ

真理に言われた時には手遅れで、私は思い切り階段を踏み外す。

「果奈ッ!」

真理が叫ぶのが聞こえた。

だが、私の頭の中は

“落ちる”という言葉でいっぱいだった。

ああ…私死ぬんだ

そう思ったとき!

ガシッ

誰がに肩を捕まれた。

「あっぶね〜ッ
万事休す!」

誰?男だ。

そんなことが頭をよぎる。

「お前、新入生だな?
大丈夫か?」

謎の男は私に聞く。

私は小さく

「はい」

と答えた。

すると男は

「よかった」

と優しく微笑んだ。

ドッキーンッ!

「俺、沖田千秋。この学校の教師!覚えとけ」

「は、はい」

ヤバい…

完璧……落ちた。