心の中でお父さんにお礼を言って、早速荷物の整頓に取り掛かった。
けれど、整頓を初めてからすぐに私は手を止めた。
「…?」
あれ…?
どうして…?
キョロキョロと、そこにあるはずの物を探す。
けれど、私が探しているものは何ひとつなくて。
どうして?
……綾都の荷物がないの?
私の荷物が運び込まれているのなら、綾都の荷物だってあるはずなのに。
元から綾都の荷物は多くはないのは知ってる。
最低限必要なものしかなかったから。
でも…。
不安になって、もしかしたら私の荷物と一緒に入っているのかもしれないと思い、箱を全部開けていく。



