守りたいのはお前だけ




「あ!いた!!」



その女は持っていた荷物を投げ出すと、亜美に勢いよく抱きつく。



ちょっ…!!



「やーん!!すっごく可愛い!!お人形みたーい!!」



ぎゅうぎゅうときつく抱きしめられて、亜美はジタバタと逃れようとしている。



仕方ない。

とりあえず侵入者でもないようだから、話を聞こう。



バリッと2人を引き剥がすと、亜美は一目散に俺の背に隠れて、キュッとシャツを掴む。



少し震えていて、うっすら涙が滲んでいる。



…怖かったんだな。


そりゃ、いきなり知らない奴に抱きしめられたら誰だって怖いに決まってる。



亜美を優しく撫でてから、女と向き合った。