自分の心を落ち着けていると、部屋の外のエレベーターが開く音が聞こえる。
くそ、よりによってこの部屋に来るかよ。
きっと最上階から順にこの家を見ていくつもりなんだろう。
この家のセキュリティどうなってんだよ。
「亜美、俺から離れるな」
状況が分かっていない亜美は、小首を傾げたあと、コクンと頷く。
亜美を背中に隠し、近づいてくる足音に集中する。
ドアの前でピタっと止まった足音。
…来るなら来い。
相手になってやる。
そう身構えた瞬間部屋の扉が開いて、不審な男が……。
「ただいまーーっ!!私の可愛い妹はどこ!?」
……は?
入ってきたのは、クリーム色をしたショートボブのやたら元気な女だった。
しかも結構なモデル体型の美人。
つか、妹って…。



