守りたいのはお前だけ




なるべく急いで風呂から上がり、髪を乾かして脱衣所を出る。


…脱衣所を出た瞬間、ソファに座って待っていたらしく、亜美がすぐに抱きついてきた。




…何だろう、ずっと懐かなかった野良猫が甘えてくるようになった、みたいな。



いや…亜美は最初から俺を嫌っていたわけでもなければ、警戒していたわけでもなかったか。



そんなことを考えながら、背が低く俺の胸の下あたりくらいまでしかない亜美を抱き上げてベッドに向かう。



普通はお姫様抱っこなんだろうけど、なんか普通に子供を抱っこする感じの方が楽っていうか、しっくりくるんだよな。



あ、ちゃんと正面じゃなくて横抱きの方で。

片腕で抱っこする感じのやつな。



一緒にベッドに入ると、すかさず亜美が俺の胸にすり寄ってくる。



ピタっと俺にくっつくようにして目を閉じると、少ししてから規制の良い寝息が聞こえてきた。


それを確認した後、俺もゆっくりと目を閉じた。