守りたいのはお前だけ




…そのままだと首痛めそうだな。



「亜美、ちょっと」



亜美が俺の肩から頭を上げたのを確認してから体を動かす。



…おい、そんな今にも泣きそうな顔すんな。



きっと寄りかかられるのが嫌だったのかも、とか思ってるんだろう。



俺は足を上げてソファに横向きになり、肘掛けに背を預けるように座ると亜美を呼ぶ。



「ほら、来いよ」



すると亜美は顔をぱぁっと明るくさせ、俺の足の間にやってきてそのまま俺の胸に身体ごと預けてくる。



この方が楽だろ。



俺の服をキュッと握って胸に頬を擦り寄せる亜美は、まるで猫のよう。


ソファの背もたれにかけてあったタオルケットを取って亜美にかけてやる。



…こんなとこ、親父や兄貴に見られたら間違いなく殴りかかってくるだろうな。


護衛対象に何やってんだって。




でもこれは不可抗力だ。


亜美からこうして甘えてくるんだからな。




1か月で変わったこと。


それは、亜美がこうして俺に甘えるようになったことだ。