守りたいのはお前だけ





「さっきから黙って聞いてりゃ、好き放題言ってくれんじゃねぇの」




そんな少し怒りを含んだ声が聞こえたのと同時に、私の身体がふわっと宙に浮いた。



お姫様抱っこではなく、普通に抱っこされている状態だった。



私の背が小さいあまりに、小さい子を抱っこするのと同じように抱っこできてしまうなんて…。



でも…。



「っ…」



綾都との温もりと声を聞いただけで安心して。


綾都の肩に額をくっつけ、溢れそうになっていた涙を堪えた。




「君、誰に向かって口をきいてるんだ」



一際低くなった祖父の声に、ビクッと体が震えた。


そんな私の背中を、綾都がポンポンとなだめるように叩く。




「俺は亜美様のボディーガードです。亜美様が傷ついているのをずっと黙って見ているなんてことは出来ませんから」



綾都…。