守りたいのはお前だけ




「俺を呼んだのって、そのことか?」


「違う。それに関しては俺も清々してる。刑事課の人間は俺たちを見下してるところがあるからな。

ただ犯人に輪っかかけるだけの奴らがいい気になりやがって。

あいつらは警護課が警察官の中で選りすぐりの優秀な集団だってこと忘れてやがるからな」




あぁ、それは俺も思う。

いざとなったら殉職覚悟で護らなきゃいけない覚悟が刑事課の人間にあるとは思えないし。



「で?話ってなに」


「あぁ、そうだ。この前、フランスで老婆の殺人事件があったこ覚えてるか?」



「あぁ。何も罪のない田舎に住んでた日本人のお婆さんが殺されたやつだろ」



覚えてる。

いきなりやってきた数人の男に殺されたっていう卑劣で残酷な事件だったからな。


そのお婆さんが日本人だったから、日本のメディアも取り上げてた。