そのまま綾都と手をつないで大広間へ向かう。
大広間へと続く扉の前で立ち止まった。
…ここを開けたら、祖父がいるんだ。
深呼吸してをして、心を落ち着かせる。
「大旦那様がお待ちです。失礼のないように」
ここに来て初めて見た使用人の男が、素っ気なく言ったのを聞いて、すぐに分かった。
この人は、祖父に仕えてる使用人なんだって。
だからきっと、この先にいる人達はみんな祖父に仕えてる人達しかいないんだ。
分かってる。
最初から味方なんていないって、分かってるから。
使用人がドアを開く。
もう一度深呼吸をして中に入った。



