家に帰ると、まだ祖父達は帰っていなかった。
一度部屋に戻り、買い物をした荷物を整理する。
「亜美お嬢様、お食事の時間になりましたら、大広間へお越しください。そちらで大旦那様方に挨拶を」
部屋にやって来た使用人の女性は、それだけ言うと部屋を出て行った。
お食事…ってことは、一緒に食べるってことだよね。
…どうしよう。
あまり食べられないのに。
祖父の前ではもちろん、作って頂いたシェフがいる前で残すのは失礼だ。
気持ち悪くなっても、詰め込むしかない。
「亜美、風呂入っとけ」
お風呂…。
あの気持ち良い露天風呂に入れば、少しでも気持ちが楽になるかもしれない。