side亜美



「亜美、そろそろ帰るぞ」



あ…もうそんな時間なんだ。

夕方に私の祖父達が帰ってくるんだっけ…。



出来ればずっと会いたくない。


でも、そんなわけにはいかないことくらい、私だって分かってるから。



コクンと頷くと、綾都が優しく私の手を引いてくれる。



…大丈夫。


きっと、綾都が付いていてくれる。



付いていてくれるという根拠なんてない。



でも、なんでかな。

綾都の側にいると、そう思えてしまうほどに安心できるんだ。