「…どっか痛いの?」
…え?
突然、綾都が私を真っ直ぐに見つめて心配そうに言った。
どうして、そんな事聞くの?
訳が分からずにいると綾都の手が伸びてきて、私の頬を優しく指で撫でた。
「泣いてる」
うそ…。
私、いつの間にか泣いてたんだ。
どこか痛いわけでも、悪いところがあるわけでもない。
多分、懐かしくて。
おばあちゃんの事を思い出して、自然と出た涙。
私はテーブルの隅に置いてあったアンケート用紙とペンを取り出し、涙の理由を書いて綾都に手渡す。
「…そっか。悪ぃ、嫌なこと思い出させた」
紙を読んだ綾都は、そう言って申し訳なさそうにする。
違う。
違うよ。
私、嬉しかったんだよ。



