「こういうのは、何回かに分けて落とすんだよ」
そうなの?
「ちょっと貸してみ」
そう言って綾都はボタンを押してクレーンを操作し、1回目でクマを少しだけ動かすと、2回目でクマの頭を狙って落としたんだ。
「別に掴んで落とさなくても、ゲットする方法はあるから」
「はい」とゲットしたばかりのぬいぐるみを私に手渡す。
ギュッと抱きしめると、ふわふわとした毛が心地よかった。
すごい。
綾都って、本当に何でもできるんだね。
「ありがとう」って言いたいけれど声がでないから、クマごと綾都に抱きついた。
これで伝わってるといいなぁ。



