そんな私の気持ちを読み取ったかのように、綾都が言う。
「あー、学校な。俺、1年の時にすでに3年分の単位取ってるから行かなくていいんだよ」
う、うそ…。
それって、かなり頭が良いってことなんじゃ…。
「ほら、行くぞ」
先を歩いていく綾都に驚きながら、私はその背中を追っていった。
それにしても…。
「見てみて…すっごくカッコいい」
「うわー、芸能人かな?」
ひそひそと、すれ違う女の子達がみんな綾都を見て話している。
やっぱり、モテるんだ。
そうだよね、こんなに全てが整った人いないもんね。
こんな人に、私なんかがボディーガードなんてされていいのかな。
そう思うのは、私には本当にもったいない人だと思ったから。
初対面にも関わらず、こんな声も出ない私に優しくしてくれて。
笑ってくれる人だから。



