守りたいのはお前だけ




それから花柄のワンピースに着替え、朝食をとってから綾都と一緒に街へ出た。



日本を散策なんて、初めて。

楽しみだなぁ。



景色を見ながら歩いていると、ふと声が聞こえてきた。


なんだか楽しそうな笑い声。


その声が聞こえてくる方に目をやると、小学生がボールを蹴っている姿が目に入った。



あ…ここ学校なんだ。

フランスにいる皆は元気かなぁ。



…ん?

学校?


今日は5月に入ったばかりの平日。

学生なら、今日は普通に学校のはず…。



私は綾都の袖を引っ張った。



「ん?どした?」



振り向いた綾都に、学校を指差す。


こんな時、声が出れば…。