慣れない部屋。 慣れない匂い。 慣れないベッド。 どうして、こんなことになったの。 幸せに暮らしてたのに。 おばあちゃんと暮らした、自然がいっぱいで穏やかなあの地に帰りたい。 私にとっては、あそこが故郷だから。 一番、落ち着ける場所だったから。 「っ…」 そう考えているうちに、落ち着いたはずの涙がどんどん溢れてきて止まらなくなった。 溢れる涙が、枕に染みを作っていく。 帰りたい。 あの家に、帰りたい。