「疲れたろ、もう寝ろ」
コクンと頷き、ベッドに寝転ぶ。
疲れてはいる…。
でも、あの日から目を瞑るとあの光景が頭の中に浮かんできて眠れない。
…動かなくなったおばあちゃん。
血を流して倒れているおばあちゃんの姿が、今でも鮮明に頭の中に浮かんできて。
やっと寝付けたと思っても夢でうなされて起きてしまう。
「どうした、眠れないのか?」
いつまでも目を開けている私を心配してくれたのか、綾都がベッドの横まで来てくれた。
「ここにいてやるから、安心して寝ろ」
綾都はベッドの横に椅子を持って来ると、そこに座って本を読み始めた。
ただ近くにいてくれているだけなのに。
それだけなのに、1人じゃないと思えて。
私はゆっくり、目を閉じた。



