守りたいのはお前だけ




「さすが、東雲警部の息子さんだなぁ。SPの試験もパスして許されるレベルだ。今すぐ戦力に欲しいね」



任務を終えて警視庁へ戻ってきた時、親父の右腕とも呼ばれる戸川さんが声をかけてきた。



「いや、それは無理だから。第一、俺まだ高校生」



SP(セキュリティポリス)とは、

警視庁警備部警護課で要人警護任務に専従する警察官のこと。



各部署の署長に推薦された者が警察学校にて訓練され、その訓練を通して厳しい競争を勝ち抜き、優秀な警察官からさらに選ばれた者だけが所属を許される。


SPになるには満18歳以上、身長が173以上、柔道又は剣道が3段以上、拳銃射撃が上級などの条件がある。


そして、とりわけ協調性、自制心、礼儀作法、自己犠牲等の人間性を持つ者のみが任命される。