「亜美、行ってはダメ。絶対に。いいね?」


「うん…」



ジリジリと迫ってくる男達に、私とおばあちゃんは後ずさり。


おばあちゃんはずっと、私を背に追いやり、男たちから庇うように立っていた。



「ばばあ、どけ。その子を寄越しな」


「渡さないよ。何を言われても」



おばあちゃん…。



すると、おばあちゃんは相手に聞かれないように私に言った。



「亜美、裏口からお逃げ。亜美は生き残らなきゃいけない」


「いや…嫌よ、おばあちゃんっ」



おばあちゃんを1人残して逃げるなんて、そんなことできないっ!!



「早く行くんだ。亜美、いいかい?よくお聞き。私が死んだら、きっと日本から亜美を迎えに来る人達が来る」



日本…?



「亜美の父親が、そこで待ってる。…亜美、生きるんだ。きっとお前を大切に守ってくれる人が現れる。愛してくれる人が、きっと現れる。

だから、生きなさい」



やだ。

いらない。

そんなのいらない。



私は…私は、おばあちゃんが居てくれたらそれでいいのっ。



「嫌っ!!私行かない!!」

「亜美っ!!」



嫌だ…嫌だぁっ!!