これは…男なら欲しくなって事件起こしてもおかしくねぇな。
…ただ、顔に表情がない。
目の前で祖母を亡くし、いきなりこんな豪邸な家に連れてこられたんだ…無理もない。
「亜美様、お初お目にかかります。我々は亜美様の護衛を任せられた者です。そして…」
兄貴、そんな堅苦しい挨拶してたら、いつまで経ってもこの子は緊張したままだ。
絶世の美女で訳ありのお嬢様といっても、中身は普通の女の子なんだから。
「あんたのボディーガード兼世話係だ。よろしく」
そう言った瞬間、案の定兄貴の拳が飛んできた。
「いっ…何すんだよ」
「何だその口の利き方は!身の程をわきまえろ!」
いや、分かってるけど俺にも考えがあってだな…。
俺のやるべきこと…。
まずはこの子に心を開いてもらうことからだな。
こうして、俺とお嬢様の甘い生活が始まったのだった。



