「お待ちしておりました。ようこそ、花京院へ」 ドアを開けた先には、物腰の柔らかそうな男性がいた。 柔らかそう…だけど気の弱そうな人だな。 一目見て分かった。 この人は会長には逆らえない性格だ、と。 うーん。 悪い人には見えないな。 やっぱ悪の根源は会長か。 俺の想像だと、頭でっかちの堅物ジジイ。 「私の父…会長は娘の帰国を最後まで認めていませんでした。もちろん、この本家で暮らすことも」 やっぱりか。