守りたいのはお前だけ




まず、門がデカイ。

そして門から玄関までが遠い。



門を入った瞬間どデカイ噴水はあるし、敷地内は全部芝生だし。


丁寧に管理された花壇は、どこかの植物園かってくらいだ。


…金持ちってすげぇな。



「行くぞ」

「あぁ」



チャイムを鳴らすと、中から使用人であろう女が出てきた。



「お待ちしておりました。亜美様のボディーガードの方ですね。どうぞこちらへ、旦那様がお待ちです」



使用人に連れられ、俺と兄貴は花京院財閥、元社長の元へ向かった。



社長…ね。


愛人とその娘をフランスへ追いやったのは会長だというが、そもそも愛し合っていたとしても正妻をよそに子供を作ったのは社長だ。



どんな人だろう。


そう思いながら歩いているうちに部屋に着いたようで、使用人がノックをしてドアを開けた。