守りたいのはお前だけ




そして。


「亜美様がご到着された。これから花京院本家へ向かわれるそうだ」



いよいよ、俺のボディーガード兼世話係の任務が始まる日がやって来た。



「綾都、荷物の準備は出来ているな?」


「あぁ。いつでも行ける」



今日から俺も、花京院財閥の家に世話になる。


必要なものがあれば取りに帰ってくるが、頻繁に帰れるわけでもないし。


必要最低限の物を持っていく。



「綾都、そろそろ出るぞ」


「今行く」



兄貴の運転する車に乗り、花京院の家に向かう。


「しっかり彼女を守れよ?あの家は敵だらけだからな」


「分かってる」



花京院宅に着いて車を降りた瞬間、唖然とした。


いや、分かってはいたけどさ。

…なんだ、この家は。



家?

いや、城?

一体この家の敷地はどうなってるんだ?


今まで著名人の豪華な家はたくさん見てきた。

けど、ここまででかい家は見たことねぇ。