守りたいのはお前だけ




「実はな、俺もお前と似たような立場になりそうでさ」


「は?」



俺はことの事情を話した。


フランスから花京院家の隠し子の女がくるということ。

そして俺がその女の護衛をすることになったこと。

住み込みで世話係も命令されたことや、その女が日本に来ることになった事件の事まで全て。



普段の俺なら絶対に人にここまで話したりしない。


常に相手は疑えと親父に言われてきたせいでもある。


そんな俺が細かいことまで話したのは、俺が海都のことを信じきってるからだ。


ここまで話せる奴は、海都以外に存在しない。



「へぇ…驚いたな。花京院財閥にそんな秘密があったとは」


「他にバラすなよ?ここだけの秘密だからな」


「あぁ、分かってる」



親父も話した相手が海都なら許してくれるはずだ。