その後警備員が駆けつけてきて、綾都が軽い事情聴取を受けている間、ホッとしたのか今更私の体が震えだした。
「亜美ちゃん、大丈夫?」
隣に座るみりいちゃんが、心配そうに声をかけてくれる。
コクンと頷けば、「すぐに綾都くん戻ってくるからね」と背中を撫でてくれた。
でも震えは止まらなくて。
自分で思っていたより、怖かったらしい。
腕でぎゅっと自分を抱きしめるようにしていると
「亜美」
大好きな声が聞こえて、ふわっと体が温かくなった。
それは何度も優しく包んでくれた、私が1番安心する温もりで。
「ごめん、怖かったな」
ぎゅっと抱きしめられて、頭を撫でられる。
綾都…。
綾都だ…っ。
そう頭で判断したと同時に、涙が溢れて頰を伝った。
綾都の背中に腕を回して抱きつけば、もっと強く…けれど優しく抱きしめてくれる。