駅に着くと、相手はまだ来ていないようで、ベンチに座って待つことにした。 「亜美、喉乾いたか?」 「っ…」 コクンと頷いた亜美に、オレンジュースのキャップを開けて手渡す。 年齢は俺と一緒だし、子供じゃないって分かってんだけど、どうも甘やかしてしまうのが最近の悩み。 「お、いたいた」 丁度オレンジュースを鞄に入れ終えた時、聞き覚えのある声が聞こえて振り向く。 「悪い、待たせた」 振り向いた先には、軽く片手をあげた海都がいた。