「ただいま戻りました……って、え?どうかしたんですか?」
突然部屋の扉が開いて入って来たのは探していた人。
私が一番必要としている人だった。
「亜美?どうし……っ!?」
「っ…!」
私を押さえつけていた手を跳ね除け、一目散に綾都に抱きつく。
「亜美…?」
どうしたんだ、と首を傾げながらも、私の頭を撫でてくれる。
よかった。
綾都…っ。
更に強く抱きしめると、綾都が私を宥めるようにして抱きしめ返してくれる。
「亜美、大丈夫だから。俺はどこにも行かない」
…あぁ、どうして綾都はいつも私が欲しい言葉をくれるんだろう。
どうして、私の気持ちを分かってくれるんだろう。