「亜美?」
「っ…」
お風呂場、トイレ、キッチン…。
家中を探しても、綾都はいなくて。
綾都、どこっ…?
「亜美、どうしたの?いきなりそんなに動くと危ないわ」
泣きながら家中を探す私をお姉ちゃんが止める。
いやっ、離してっ。
また綾都がどこかに行っちゃうっ。
ジタバタと抵抗しても、全く力が入らなくて抜け出すことができない。
「亜美、亜美っ」
いやだ。
いやだ、いやだっ。
お願い、離してっ…。
綾都を探しに行かせてっ…!!
私の世話係の女の人や使用人まで、暴れる私を押さえつける。
「っ……!!」
「亜美様、落ち着きになって下さい!」
や、だ…っ。
綾都…。
綾都っ!!



